クリスマスの思い出

クリスマスの思い出といえば、クリスマスケーキのイチゴとサンタさん。

子どもの頃、毎年クリスマスには母がケーキを作ってくれた。イチゴやフルーツを使ったホールのケーキだ。それを6等分し、24日にきょうだい3人で一切れずつ食べる。残りは翌朝の楽しみとして残しておく。25日は、朝からサンタさんからのプレゼントとケーキがあるという素晴らしい日だ。

ある年の朝、私たちきょうだいは大騒ぎとなった。枕もとのプレゼントよりも、半分残したケーキの上のイチゴがなかったことに大騒ぎをしていた。

イチゴは父か母のどちらかが食べたとまず思うのが当然だろうに(そして実際食べたのは父であった。これは後からわかった)、私たちはすっかり、サンタさんがちょっといたずらをしてケーキのイチゴだけ食べていったのだと思ったのだ。そして、更におかしなことに「だから、やっぱりサンタさんはいるんだ!」という結論に達してしまった。

冬休み明けに、私たちきょうだいは、それぞれの友達に「サンタさんがケーキのイチゴを食べていった!やっぱり、サンタさんはいるんだよ」と話してまわったのだが、いずれも信じてもらえず(むしろ訝しげに思われて)帰ってきた。どうして信じられないのかなぁと3人で話し合ったことは、今でも覚えている。

私たちが大騒ぎをしていたのを、父と母はどんな気持ちで眺めていたのだろう。