節分

もうそろそろ、暦の上では春になる。節分だ。

節分といえば恵方巻……ではなく、吉田神社の節分祭。毎年行っているわけでもなく、かつて一度、祖母と一緒に行ったことがあるだけなのだが、私の中での節分は吉田神社がまず浮かぶ。

高校卒業後、私は親元を離れ京都に出てきた。その最初の1年と数ヶ月は祖母と一緒に暮らしていたのだが、節分祭に行ったのはその頃のことだ。祖母と一緒に吉田山を登りお参りし、ふたりそれぞれの干支がついた鈴を買って帰ってきただけのことなのだが、このことがいつまでも記憶として残っていて、毎年節分の度に思い出すのだ。

あれからもう20年近く経つ(註:最初10年以上と書いたのだがそれではさすがに誤差の範囲を超えてしまうと思いこのように表現することにした)。当然だが、祖母もだいぶ高齢だ。今年は(私の仕事の都合上どうしても)無理なのだけれど、来年、もしできるなら、祖母ともう一度吉田神社にお参りをしてみたい。